看護師は損害賠償責任保険に加入すべき?

看護師で働いていると、医療事故を起こす不安や心配が常にあります。もしもの時のために損害賠償保険に加入しておきたいと考えている人も多いです。

  • 「いつか大きな医療事故を起こしてしまいそうで怖い…」
  • 「損害賠償保険に加入しておけば自分は守られるのだろうか…」
  • 「そもそも損害賠償保険の役割って何だろう…」

結論から伝えると、私たち看護師は必要以上に医療事故を心配する必要はありません。

なぜならば、日本医療安全調査機構によると、過去3年3ヶ月の間に報告された医療事故報告数は1234件しかないからです。年間の発生件数は400件未満ですね。年間で医療事故を起こす看護師は、1件あたり0.001人の割合です(看護師は108万人)。

また、仮に医療事故が起きても、看護師個人が訴えられる可能性は稀です。

なぜならば、看護師の個人賠償では、訴訟しても損賠賠償金を回収できないからです。実際に、重大な医療事故の過失は病院側に責任があります。ダブルチェックを怠っているなど組織の体制や仕組みに問題があるからです。

とは言えど、自分たちに起こるのは医療事故だけではありません。自分が感染してしまった時や他人の物に損害を与えてしまうことも考えられます。

何が起こるかは誰にも予測できないのも事実です。そうなると、保険に加入しておくことで安心を得ることもできますよね。保険なしで不安に駆られながら働くよりも、年間に少しの金額を掛けて安心を得られるのであれば、損害賠償保険に加入する価値は感じられます。

ここでは、看護職損害賠償保険の内容や、加入するメリット、そもそもの不安の要素である医療事故発生の防止方法についてご紹介します。

これはボックスのタイトルです。
  1. 医療事故を起こしたら看護師も訴えられるの?
  2. 看護職損害賠償責任保険とは?
  3. 医療事故やインシデントを避けるためには?

参考:https://www.nursejinzaibank.com/column/detail/8716

医療事故を起こしたら看護師も訴えられるの?

Aさん)賠償責任保険に加入するべき…?

看護職の方,ご回答よろしくお願いします!

私は今月看護学校を卒業し,4月入職予定の者です。先日病院の説明会で『看護職賠償責任保険』
の案内を頂きました。新人看護師は医療過誤・インシデントなど起こすことが多いと聞いたことがあり,私自身医療事故を起こすのではないかと不安で加入するべきか迷っています。

皆さんは個人的に上記の保険に加入しておられますか??それとも一般には病院が職員全体を守るような保険に加入するものなのでしょうか??ちなみに私は独立行政法人系の病院に入職予定です。どうかご回答よろしくお願いします。

参考:Yahoo知恵袋

そもそも、医療事故にて個人を訴えられることは稀です。しかし、安心を買うために保険に加入している人は多いです。

Bさん)賠償責任保険の種類を知りたい

結婚して看護職に復帰したんですが看護師の賠償責任保険に加入したいのですが、一般の保険会社がよろしいですか?それとも看護協会加入してはいれる保険がよろしいですか?オススメの保険があれば教えていただきたいです。宜しくお願いします。

参考:Yahoo知恵袋

一概にここの保険会社が良いとは言い切れません。加入先に関しては、自分の職場環境に合った補償をしてくれるところを選びましょう。

看護職損害賠償責任保険とは?

その1:看護職損害賠償責任保険とは?

看護職損害賠償責任保険とは、看護職が行う業務によって、他人の身体や財物に損害を与えたり、人格権を侵害したため、法律上負担しなければならない損害賠償責任を補償します。

また、業務中に偶然な事故により死亡、後遺障害が生じた場合や針刺し事故等によりHBV、HCV、HIVに感染した場合(HBVは感染後、発病・治療した場合)に保険金が払われます

医療事故が発生した時の補償にとどまらず、加入者への相談・対応支援や事故防止の諸策を講じるために必要な情報提供など、独自のサポート機能を有しています。

看護師が加入できる保険会社は、主に「東京海上日動」、「損保ジャパン」、「三井住友海上」の3つです。「日本看護協会」の会員の方は、同会の保険に加入することができます。なお、日本看護協会では損保ジャパンの保険を取り扱っています。

掛け金は加入先により異なりますが、例をあげると日本看護協会の保険掛け金は1年間で2,650円と高くありません。日本看護協会会員である看護職が、事故の当事者となった場合にサポートしてもらえる制度が看護職賠償責任保険ということになります。

参考リンク:看護職損害賠償責任保険

その2:加入する看護師の割合は?

アンケートの結果より、7割以上の方が何らかの保険に加入しています。日本看護協会の保険に関しては会員のみ加入できるので、日本看護協会の会員ではない方は、民間の保険を利用しています。

個人で入るという選択肢以前に、病院組織として加入を義務付けているところもあるようです。病院が団体で民間の保険に加入しているケースもあるので、保険加入状況がわからない人は一度、職場に確認してみましょう。

参考:ナースの転職知恵袋

その3:加入するメリットは?コストは?

掛け金は加入先により異なりますが、例をあげると日本看護協会の保険掛け金は1年間で2,650円です

参考:ナースの転職知恵袋

加入先により、保険掛け金とその保証内容が変わってくるので、自分がどのような環境で働いているかで自分にあった保険を選びましょう。

年間で約3000〜5000円と、それほど高くはありません。医療事故にて個人に賠償を請求されるケースは少ないですが、患者さんの私物などを損害してしまったりと、もしもの場合に保険に加入しておくことは安心を買うことが出来ます。

保険なしで不安に駆られながら働くよりも、年間に少しの金額を掛けて安心を得られるのであれば、損害賠償保険に加入する価値は感じられますね。

医療事故やインシデントを避けるためには?

次の3つの対策をすることで、私たちは事前にミスを減らすことができます。

対策1:現場でダブルチェックを必ず行う

私たち看護師で1番多いミスは、点滴投薬、配薬、患者間違いの3つです。これらの医療事故は、ダブルチェックすることで確実に防げます。

先輩社員にダブルチェックを厳しくお願いするのと同時に、自分がチェックする場合にも絶対に厳しく確認しましょう。厳しくダブルチェックすることが、患者さん、勤め先の病院、同僚、それから自分自身を助けることに繋がりますね

相手を信頼することは大切ですが、相手を疑うくらいの気持ちで確認しましょう。

対策2:個人ではなく組織で協力する

人為的なミスを突き詰めると、その根本的な原因は個人ではなく組織にあります。なぜならば、私たち人間は必ずミスをする生き物だからです個人がミスをしないためには、組織が仕組みを作るしかありません。

しかしながら、個人のミスを誰かに押し付ける職場や、新人看護師が先輩に頼りにくい職場があるのも事実です。危ない職場だと感じたならば、現場の責任者に早い段階でSOSを上げましょう。

医療ミスや重大な事故が起きるのは、人間関係に問題を抱えている病院が多いですね

上司に相談しても改善されない場合は、転職を考えるのもひとつの手です。重大な医療事故を起こすよりも、その方が何倍もマシですよね。

対策3:精神的に休める時間を作る

仕事でミスを起こさないためには、休養を取る必要があります。身体が疲れている、必要以上にプレッシャーを感じていると、思考が働かずミスを起こす確率も高くなります

休日は病院のことを忘れて、思いっきり羽を伸ばしましょう。

私たちがリフレッシュできなければ、職場でも必ずミスが増えますミスが増えて困るのは、患者さん、勤務先の病院、職場の同僚、そして私たち自身ですね。

医療事故が怖くてゆっくり休めない人も多いが、看護師が重大な事故を起こす確率は0.001%だけです。冷静に考えたら、私たちが事故を起こす可能性は極めて低いですね。必要以上に心配するよりも、身体を休めるに集中するべきです

それでも、医療事故やミスが怖くていつも不安を感じているならば、看護師という仕事が向いていない可能性もありますもしくは、恐怖を感じている根本的な原因は、職場の労働環境や人間関係にあるかもしれません。

長時間労働や夜勤が合わない、職場に合わない先輩がいる、他人にミスを押し付ける同僚がいる、思い当たる人は転職も視野に考えてみましょう。重大な事故が起きてからだと手遅れですよね。

ストレスが少ない理想的な職場で働く事でも、ミスを減らす事が出来ます。

理想的な職場を見つける方法は?

私たち看護師が精神的に追い込まれるのは、病院以外の選択肢がないと思うからです。現職以外の働き方があると知るだけで、私たちは前向きな気持ちで最適な仕事を見つけられます。

看護師は人材不足もあり、私たちは自由に職場を選択できる立場にあります。

方法1:残業が少ない日勤だけの病院で働く

看護師の人材不足もあり、私たちが利用しやすい転職サービスは増えています。

転職が一般化する以前は、ひとつの病院で定年まで働き続けるか、結婚や出産を機に退職かパートに切り替えるしか、私たちに選択肢はありませんでした。深刻な人手不足の現在では、各個人のライフスタイルに合わせて職場を選択できます

ライフスタイルに合わせた働き方とは...
  1. 夜勤や残業はあるが、月収40万円を稼げる病院
  2. 残業が10時間以下でも、月収30万円を稼げる病院
  3. 日勤だけで、毎日定時に帰宅できる個人病院やクリニック
  4. 託児所が完備され子育てや、職場復帰を支援してる病院
  5. 家族と時間を過ごすために、土日祝日に休める病院
  6. 産休や育休の実績があり、既婚者でも安心して働ける病院

転職サイトの「ナースではたらこ」は、全国に91,982件の求人があります。公式HPの検索画面を開き、「正看護師」「日勤のみ」で条件を検索すると、4,195件がヒットします。

日勤のみ、託児所付き、寮、家賃補助が付いて、月給は25〜27万円の求人がありますね。

方法2:病院以外の企業や介護施設で働く

看護師は必ずしも病院で働く必要はありません。看護師免許の資格を活かして、企業や市役所、保健所、介護施設で働く選択肢もあります。

病院以外で働く方法とは...
  1. 土日休みで働ける、保育園や大学保健の管理センターで働く
  2. 看護師免許を活かして、市役所や保健所で保健師で働く
  3. 大手優良企業の医務室で、専属看護師として勤務する
  4. 定年後でも働きやすい、特別養護老人ホームや介護施設で働く
  5. 夜勤も残業もなく、高収入を得やすい訪問看護師で働く

看護師免許を活かして、大手企業で働く選択肢もあります。

日勤常勤で働ける企業の求人は、一般的に社会保険や賞与などの福利厚生が保障されています契約期間が定められてないため、安定した労働環境で長期間働けます。夜勤も長時間労働もないため、安心して働けますね。

「ナースではたらこ」で検索条件に「企業」を入力したら、年収330〜420万円の求人が見つかります。

方法3:勤務地や時間を選択できる派遣で働く

看護師免許があれば、フルタイムで働く必要もないですね。勤務地や勤務時間を自由に選択して派遣で働く方法もあります。

派遣やバイトで働く選択肢は...
  1. 育児や家事と両立するため、週3日で派遣で働く
  2. 短期間で貯金するために、時給2500円の高時給で働く
  3. 健診センターや採血など、日給2万円で単発のバイトをする

派遣で働く場合は、派遣専門のレバレジーズを利用しましょう。求人数2518件の中から、自分のライフスタイルに合わせて職場を選択できますね

病院は全国どこにでもあるため、希望の職場が見つからない事はありません。

正社員ではなくあえて派遣で働く人は、結婚や出産でブランキ期間が長い女性、家事や育児と両立して働きたい人、語学留学やワーホリから帰宅して時短で働きたい人が、積極的に利用しています。

まとめ:看護職損害賠償保険に加入するべき?

看護職損害賠償保険に加入するべき?
  1. 他人の身体や財物に損害を与えたり人格権を侵害した時に補償してくれる
  2. 業務中に偶然な事故により死亡、後遺障害が生じた場合や針刺し事故にて感染した場合も補償してくれる
  3. 年間の保険掛け金は約3000〜5000円
  4. 7割以上の方が何らかの保険に加入
  5. 医療事故にて個人に賠償を請求されるケースは少ない
  6. 保険に加入しておくことで安心を得ることが出来る

私たち看護師は必要以上に医療事故を心配する必要はありません。日本医療安全調査機構によると、過去3年3ヶ月の間に報告された医療事故報告数は1234件です。年間で医療事故を起こす看護師は、1件あたり0.001人の割合です(看護師は108万人)。

そして、医療事故が起きても、看護師個人が訴えられる可能性は稀です。なぜならば、看護師の個人賠償では、訴訟しても損賠賠償金を回収できないからです。さらに、ダブルチェックを怠っているなど組織の体制や仕組みに問題があるとされ、重大な医療事故の過失は病院側に責任が問われるからです。

とは言えど、自分たちに起こるのは医療事故だけではありませんね。自分が感染してしまうことや他人の物に損害を与えてしまうことも考えられます。

何が起こるかは誰にも予測できないのも事実です。そうなると、保険に加入しておくことで安心を得ることもできます。保険なしで不安に駆られながら働くよりも、年間に少しの金額を掛けて安心を得られるのであれば、損害賠償保険に加入する価値は感じられますね。

医療事故による損害賠償に無駄に怯える必要はないので、保険に加入することが絶対ではありませんが、保険があることで安心して働くことが出来るのであれば保険加入の選択も良いでしょう。

1日でも早く行動に移した方が良い理由

看護業界では、常に慢性的な人材不足を抱えています。

平成26年の全国の看護職の有効求人倍率は、2.79倍です。求人数が185,578人に対して、求職者数は66,477人しかいません。毎年5.1万人の看護資格取得者がいる一方で、看護師を離職する人は16.1万人にも及びます

参考:看護職員の現状と推移(厚生労働省)

2025年には約196~206万人の看護師等が必要と推計されています。順調に看護師が増えても、13万人が不足します若年層が減少する中で、高校生の10人に1人が看護師にならなければいけない計算ですね。

人材不足は、私たち看護師にとって悪い事ではありません。なぜならば、看護師の需要が高い売り手市場を利用して、より労働条件が良い職場に転職し易いからです。実際に、多くの看護師が夜勤や残業がない職場に転職していますね。

しかしながら、この状況が長く続くとは限りません。

日本政府は人材不足を理由に外国人看護師の受け入れを検討しています。インドネシア、フィリピン、ベトナムから外国人看護師・介護福祉士を受け入れ、その数は2018年に5600人にも上ります(厚生労働省)。

私たち日本人看護師の代わりに、外国人が増える事で次のデメリットがありますね。

外国人受入れで人材不足が解消されると...
  1. 低賃金で働く労働者が多いと、看護師の平均年収が下がる
  2. 看護師の給与は他国と比較して高いため、たくさんの外国人が来日する
  3. 人材不足が解消されると、現職より好条件で転職するのが難しくなる
  4. 若手看護師が、経験を積める職場が少なくなる
  5. 有効求人倍率が1倍を切ると、転職したくてもできない

少子高齢化を理由に、今後も看護師の数が減り続けるのは間違いありません。日本政府が本格的に移民を受け入れたら、私たち看護師の仕事も外国人に奪われます。そうならないためにも、1日も早く自分に合う職場を見つける必要がありますね。

看護師の転職活動で必要なもの

転職活動を開始するに当たって、私たち看護師が必要な準備は何もありませんまた、全てのサービスを無料で利用できます。途中で就職を辞退しても、罰金などでお金を支払う必要もないですね。

履歴書や職務経歴書は、コンサルタントと面談し転職の意思を固めた後に準備します。面談することで公立病院、クリニック、保育園、企業など進みたい方向性が明確に決まります。その段階で、書類など具体的な準備を始めた方が手戻りが少ないですね

まずは、転職するかどうか決めるためにも、面談だけでもしてみましょう。転職エージェントを利用すれば、面接対策から給与交渉まで全てサポートしてくれます。最短2週間で次の職場が決まるほど、スピーディに行動できます。

会員登録から面談までの流れ
  1. 公式サイトから会員登録する(氏名や住所など1分程度)
  2. 担当者からメールか電話があり、面談日を指定する(平日夜や週末可)
  3. 40分のキャリア面談は、電話でも対応してる(面談場所は新宿など、全国17カ所)

キャリア面談後には、条件に合う職場を20社ほど紹介してくれます。看護師免許を活かして働ける職場はたくさんあり、夜勤や残業がない職場が多い事にも驚きます。

もちろん、働きたいと思える病院がなければ、無理に職場を変える必要はありません現在は、売り手市場なので、私たちが職場を選ぶ立場にありますね。キャリア面談は、私たちに新しい出会いの場を提供してくれます。

現在の職場に不満を感じているのであれば、まずは選択肢だけでも確認しましょう。先輩看護師の悪質なイジメやサービス残業、人間関係で消耗するほど無駄なことはないですね患者さんのために働くためにも、まずは私たちが働きすい職場にいる必要があります。

具体的な行動に移さなければ、私たちの未来が変わることはありません。登録に必要な項目は少ないので、通勤中にスマホからでも登録できます。

 

会員登録と面談の日程調整、それから面談して求人を紹介してもらう、全ての工程で1時間も掛かりません。後からキャンセルもできるので、会員登録だけでも先に終わせた方が良いですね。登録フォームは1分で入力できます。

公式サイト:マイナビ看護師≪登録無料≫

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